変額保険はぜ必要なのか、その理由が知りたいという人も多いと思います。変額保険は投資性が高いため、すべての人に適した保険ではありません。
しかし、インフレ対策や資産運用を兼ねた保障を検討したいのであれば、加入を検討すべき保険です。
そこで今回は、変額保険がなぜ必要なのかについて詳しく解説します。変額保険が向いている人、向いていない人も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
変額保険はなぜ必要?
変額保険とは、契約者が支払った保険料を保険会社が運用し、運用実績に応じて保険金の額が増減する保険です。
運用実績がプラスであれば保険料以上の保険金を受け取れますが、マイナスの場合は元本割れになる可能性があります。
運用実績が悪くても死亡保険金には「最低保証」が設けられているため、契約時に決めた死亡保険金・高度障害保険金は受け取ることができます。ただし、満期保険金や解約返戻金額は、払い込んだ保険料を下回る可能性があるので、注意が必要です。
定額保険との違い
終身保険や養老保険などの定額保険商品も、契約者が支払った保険料を保険会社が運用しています。定額保険は事前に運用利回りが確定しているため、契約時に決めた保険金や解約返戻金の金額は変わりません。しかし、物価が上昇しても受け取れる額は変わらず、相対的な保険金の価値が目減りする恐れはあります。
一方、変額保険は運用利回りに事前の設定がなく、受け取れる保険金の額が変動します。インフレによる株式相場の上昇に伴って運用実績が上がれば、受け取れる保険金や解約返戻金も増えるため、相対的な資産価値の目減りを防げます。
変額保険のメリット
変額保険は万が一に備える保険の機能だけではなく、運用実績の結果次第で利益を得られる可能性があります。
運用実績によっては受け取れる保険金額が減ってしまいますが、死亡保険金と高度障害保険金には最低保証されるが設けられているので安心です。
なお、変額保険は生命保険料控除の対象となります。今から新たに加入する場合は新制度の保険料控除が適用されるため、住民税は最大2.8万円、所得税は最大4万円が控除されます。
変額保険のデメリット
運用実績がマイナスの場合は、解約返戻金や満期保険金の金額が払い込んだ保険料の総額を下回る「元本割れ」を起こすリスクがあります。また、デフレによる株式相場の下落によって運用成績が悪化すれば、保険金が目減りするリスクもあります。
なお、変額保険は長期的な運用によって大きな利益を得ることを目的としているため、早期解約をすると元本割れする可能性が高まります。短期的な保障を検討している場合は、定額保険を選択した方がいいでしょう。
変額保険が向いている人
変額保険が向いているのは、以下のような人です
・資産運用をしながら保障も備えたい人
・長期的な資産運用を考えている人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
資産運用をしながら保障も備えたい人
変額保険の運用効率は株式や投資信託に比べると高くありませんが、万が一の際の保障が付帯しています。
運用実績によっては解約返戻金や満期保険金が減額されますが、契約時に決めた死亡保険金と高度障害保険金は保証されるので安心です。
一般的な投資手段には保障が付帯していないため、運用実績がマイナスになった場合は、損失だけが発生します。
長期的な資産運用を考えている人
変額保険に加入しているだけで、長期的な資産運用を委託できます。個人が長期的な資産運用をするのはなかなか難しいものです。勉強すべきことも多く、経済や株式に関する最新の知識も求められます。
しかし、変額保険は長期的な資産運用を前提としているため、投資の知識や運用する時間がなくても資産を援用することが可能です。
変額保険が向いていない人
変額保険が向いていない人は、以下のような人です。
・元本割れのリスクを避けたい人
・保険と資産運用を分けたい人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
元本割れのリスクを避けたい人
変額保険は運用実績によって受け取る保険金額が変わるため、満期保険金や解約返戻金の元本割れを避けたい人には向いていません。
払い込んだ保険料よりも多くの利益を得られる可能性がある変額保険ですが、そのリターンよりもリスクを避けたいという場合は、初めから定額保険を選択した方がいいでしょう。
保険と資産運用を分けたい人
自分で資産運用できるという人は、保険と資産運用を明確に分けた方が効率的に資産を増やせることもあります。
近年では「iDeCo(イデコ)」や「積立nisa」といった個人で気軽に始められる資産運用もあるので、選択肢の幅は増えています。
変額保険の選び方
変額保険を選ぶ際には、各商品の運用方法と特徴を知っておくことが大切です。
主な運用方法には「株式型」「債券型」「バランス型」があります。
運用方法 | 債権型 | 株式型 | バランス型 |
特徴 | 国内外の債券で運用 | 国内外の株式で運用 | 株式や債券などをバランスよく運用 |
リスク | 低め | 高い | 普通 |
リターン | 低め | 高い | 普通 |
株式型の変額保険は、主に「日本株式型」と「世界株式型」の2種類に分かれます。日本株式型には、株価指数に連動する「インデックス型」と、インデックスを上回る成果を目指す「アクティブ型」があります。なお、世界株式型は、世界各国の上場株式で運用する方法です。こちらもインデックス型とアクティブ型があります。
債券型の変額保険は、主に「日本債券型」と「世界債券型」の2種類に分かれます。バランス型は、株式や債券、不動産などに分散運用するタイプです。分散投資によってリスクを軽減し、運用効率を高めます。
変動保険を選ぶ際には過去の運用実績を確認することが重要です。ただし、運用方法によってリスクとリターンが異なるため、運用方法が同じ変動保険を比較検討するようにしてください。債権型と株式型の実績を比較しても意味はないので注意しましょう。
債券型を選ぶ場合は、利回りと運用安全性の確認も欠かせません。日本債券型は運用が安定しますが、利回りは低くなります。世界債券型は先進国の債券が中心であれば安定しますが、新興国債券を取り入れた商品はリスクとリターンが高くなります。
バランス型を選ぶ場合は、運用資産の内容もチェックしましょう。株式と債券の組み合わせて運用する商品がほとんどですが、不動産に投資している商品もあります。
まとめ
変動保険は、将来的なインフレに備えたいという人に適した保険です。「資産運用に興味があっても、方法がわからない」というひとも、変動保険を検討してみましょう。
ただし、変動保険は投資商品としての性質も備えているため、運用実績によって元本割れするリスクもあります。許容できるリスクや資産運用の目的などを明確にしたうえで、自分に適した保険を選ぶようにしてください。
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